道路付けの劣る土地の組み替え+活用

個人コンサルティング第三事業部グループリーダー 中川良一


本事例の背景

本事例は、都内の私鉄駅前で駐輪場を経営していたA様に対し、相続税納税原資の確保とキャッシュフローの改善のために、どのように土地を活用したらよいかという課題解決を行ったものです。
最大の問題は、中央に通っている道路により、土地が2つに分断されていること。さらにその道路の幅員が1.8mと狭いので、北側土地を活用すると南側土地が活用困難になることでした。

対 応 策

まず納税原資確保のため、利用の困難な南側土地の売却を検討しました。当然道路幅員1.8mでは、高値がつきません。駅前商業地域の容積率の高さを生かすため、北側土地に幅員5mの位置指定道路を新設し、南側土地を300%の容積率を最大限利用できるようにしました。
入札によりマンションデベロッパーに241坪の南側土地を6億円で売却し、居住用の3000万円特例と事業用買い換えの特例を利用し、都心に5億円の収益ビルを購入しました。
三方道路になった北側土地は、駅前の立地を生かし、1階をコンビニエンスストア、2階を学習塾、3階を診療所というテナントを決めてから、3階建てのビルを建てました。3階建てですと容積率は使い切っていませんが、無理に5階建てを建てて賃料の高い1階部分の面積を少なくすることを考えると3階建てが最も資金効率が良かったからです。具体的には建築費は9千万円に抑えたので、月額賃料250万円として約4年で回収できる計算です。
なお個人で建物を所有すると、賃料により所得が集中し所得税が増え、急激に流動資産が蓄積されることにより、結果的に相続税も増えるため、収益の元である建物は、新設法人の名義で建築しました。
また、ファンドバブルの崩壊による土地の下落を予想し、南側土地の売却によって手放した自宅は購入を控え、借りることにしました。

 

効 果

相続税は、南側土地を路線価の高い場所に買い換えたため、小規模宅地の評価減が増えて、税額(見込)が3700万円から2800万円に減額しました。キャッシュフローは年間2000万円から4500万円に増額、売却金額の中から5000万円分流動性の高い資産を相続税納税用に確保。キャッシュフロー増額により蓄積した資金で、現在自宅購入を検討中です。

相続税減額とその恩恵


(株)ロータス21・週刊「T&Amaster」 号掲載


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