新事業承継税制を活用した事業承継対策とは?

株式会社プロジェスト 税理士 粟村美恵子


上場会社の持株会社における納税猶予制度の適否

上場会社は経済産業大臣の認定を受けることができず、その株式について納税猶予制度の適用もありません。しかし、上場会社の持株会社の株式については納税猶予制度を受けることができるのでしょうか。
次のような資本関係である場合の甲が保有するB社株式について考えてみましょう。

資本関係図


結論としては、B社の特別子会社であるA社が上場会社に該当するため、B社株式について納税猶予制度の適用を受けることはできません。
会社ならびにその代表者およびその代表者の同族関係者が合わせて総株主等議決権数の過半数を有している会社を、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下「円滑化法」といいます。)において「特別子会社」といいます。A社は、B社と甲に総株主等議決権数の51%(14%+37%)を保有されているため、B社の特別子会社に該当します。
また、特別子会社が上場会社に該当しないことが、経済産業大臣の認定対象会社となるための要件となっていますので、B社の特別子会社となるA社が上場会社であるこの場合、B社は認定対象会社となることができず、その株式について納税猶予制度の適用を受けることはできません。
対策としては、B社もしくは甲が保有するA社株式の一部を売却するなどして、A社をB社の特別子会社でない状況にすることが考えられます。

親族が上場会社の議決権の過半数を保有する場合には要注意!

同族関係者は、円滑化法において代表者の親族等と規定されています。法律上、親族とは配偶者、6親等以内の血族および、3親等以内の姻族をいい、従兄弟や甥、姪、配偶者の兄弟なども親族に含まれます。
たとえば、従兄弟が上場会社C社の議決権を50%超所有していた場合、甲自身そのC社と資本関係がなくても、C社はB社の特別子会社に該当することになります。仮にB社と甲が保有する上場会社A社の議決権割合が50%以下であるとしても、B社株式について納税猶予の適用は受けられませんので、注意が必要です。

B社について納税猶予が適用できないケース


(株)ロータス21・週刊「T&Amaster」313号掲載


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